あいづ着物倶楽部


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からむし織とは??昭和村伝統の手仕事について

こんにちは!

あいづ着物倶楽部ブチョーの、たみこです♪

先日、福島県の奥会津、昭和村でからむし織について勉強してきました!

何となく植物で出来ているんだろうな~とは思っていたのですが、実際どんな植物からどのようにできているのか、他にはどんな素材を使った布があるのか、ちょっとまとめてみましたよ~。

【2017年11月30日追記】
本日、昭和村からむし織が国指定伝統工芸品となりました!!!パチパチパチパチ☆

福島県としては、会津塗・会津本郷焼・奥会津編み組細工・大堀相馬焼に続き5番目の登録指定だそうです。

からむし織とは?

からむし織とは、福島県の奥会津と呼ばれる雪深い地方にある「昭和村」で、なんと縄文時代から続くと言われている織物。

原料となるのは「からむし」別名「苧麻(ちょま)」と呼ばれる麻の一種。「ラミー」とも呼ばれます。

この植物の皮を剥いで、繊維だけを取り出したものがこちら。

これをより合わせて糸にしたものから織られる織物を、からむし織と呼びます。

こう一口に言いましたが、その工程を細かく見ていくと本当に途方もない作業。

雪深い昭和村では、昔から冬の間の大事な手仕事となっています。

このからむし=苧麻を使う織物は、新潟の小地谷縮や越後上布がありますが、本州で原料を栽培しているのは唯一昭和村だけなんだそうです。

冬の間、雪の上に帯を広げる「雪さらし」という雪国ならではの伝統手法。

これをすることによって、帯が白くなるんですって!!

不思議~。

そしてこの作業が見られる特別な機会、それが『昭和村からむし織の里雪まつり』なんです。

この雪まつりについては、別記事↓にまとめています。
昭和村からむし織の里雪まつりに行ってきました~!

ミニ知識その1麻いろいろ

日本で麻と言うと

  • 「リネン」・・・「亜麻(あま)」を原料にしたもの
  • 「ペンプ」・・・「大麻(おおあさ・たいま)」を原料にしたもの

が有名です。(ご存知の通り「大麻」が日本で栽培されることは認められていません。)

いわゆる麻袋は、

  • 「ジュート」・・・「黄麻(こうま)」を原料にしたもの

パルプの代わりに紙の材料として注目されている

  • 「ケナフ」・・・「洋麻(ようま)」を原料にしたもの

も麻の一種です。

麻の特徴としては、

  • 丈夫であること(特に水にぬれると強い)
  • 吸熱性・発熱性に優れること(涼感)
  • 張りがあること(独特のシャリ感)

などが挙げられます。

  • シワになりやすい

という欠点もありますが、これが味や涼感を増すともいえます。

ミニ知識その2自然布いろいろ

日本の自然布(植物の繊維を材料とする布)には、からむし織以外にも色々あります。

いずれも材料が植物の茎や木の皮などですから、それを細く割いて糸にする、さらにそれを布の状態にするというのは本当に大変な作業です。

三大古代織

  • 芭蕉布(ばしょうふ)・・・「糸芭蕉(いとばしょう)」が原料、産地は沖縄
  • 葛布(くずふ)・・・つる植物である「葛(くず)」の茎が原料、主な産地は静岡県
  • しな布(しなふ)・・・「科(しな)」の木の皮が原料、主な産地は新潟県、山形県

その他の自然布

からむし織と同じ「苧麻(ちょま)」を材料にしたもの(別名ラミー)では

  • からむし織(からむしおり)
  • 越後上布(えちごじょうふ)
  • 小地谷縮(おじやちぢみ)
  • 宮古上布(みやこじょうふ)

があります。
小地谷縮は、撚った糸を使うことによって独特の風合いを出したもので、越後上布の変形のようなものだそうです。

宮古上布は沖縄の伝統工芸品ですが、先染め(さきぞめ、糸の状態で色を染めること)した糸を使って織るのが特徴です。

その他には、

  • 太布(ふとぬの・たふ)・・・「楮(こうぞ)」や「科(しな)」が原料
  • 大麻布(たいまふ)・・・「大麻(おおあさ・たいま)」が原料

などがあります。
大麻は、イコール麻薬、というブラックなイメージが刷り込まれてしまっていますが、歴史的にみると日本人とは切っても切れない間柄なんですよね。

まとめ

福島県奥会津の昭和村で伝統的に作られてきた「からむし織」と、それに関わる麻や布についてまとめてみました。
いかがでしょうか?

昔の人々は、身近にある植物を使って、手間暇をかけ、野良着などをこしらえていたわけですが、なんでもすぐに手に入るようになった現代においては、いずれの産地においてもその伝承が課題となっているところです。

私たち着物愛好家に手っ取り早く出来ることは、消費者として帯や着物などを購入することなわけですが、希少であり、手間がかかるものとあって、帯一本100万円以上というものも珍しくない世界。

からむし織の里昭和村では、興味のある女性を「織姫」、男性を「彦星」として村に呼んで約1年間の体験をするからむし織体験制度があり、この制度を利用して村に来て、そのまま村で暮らす方もいらっしゃいます。
60代の母が興味を示していて、後継者育成の目的もあるんだろうから、若い方だけが対象なんでは?と問い合わせたところ、年齢制限は特に設けていないとのこと!実際過去に60代の織姫さんもいらっしゃったそうです。

そういわれても、時間ないし、そこまではちょっと・・・という私のような方は(笑)帯締めやコースターのような小さなものや、それぞれの産地で行っている織物体験に参加してみましょう!

帯や反物を作ることと比べたらおままごとのようなものですが、実際やってみるのとやらないのとでは雲泥の差。

是非チェックしてみてくださいね♪

>>昭和村ホームページでからむし織体験をチェックする

>>昭和村ホームページでからむし織体験をチェックする


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